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No.3 長門かよこ(声 岬 風右子)

5人目のおジャ魔女、飛鳥ももこちゃんは南国の太陽そのものです。しかし彼女の輝きは、ギラギラしていて眩しすぎました。どれみちゃんの対極的なキャラクターとしておんぷちゃんが登場したように、ももこちゃんの対極的なキャラクターとして登場したのが、おぼろ月夜のように儚げな少女、長門かよこちゃんです。

学校に行くのが怖い。迷惑をかけるのが怖い。だってわたしは、みんなに嫌われているから。このままじゃいけないって判ってる。でも、それがプレッシャーになってますます追い込まれてしまう。もういやだ。何もかも嫌だ。わたし…消えてしまいたい…………。

マイナス思考から抜け出せなくなり、コミニュケーションを拒絶するかよこちゃんは、引きこもりに悩み苦しむ少年少女(そして青年)の代弁者です。どれみを地味でシンプルにしたようなデザインは女の子なのに華が無く、ろうそくの灯火のように儚げです。
しかもキャスティングは森野かれんちゃんと同じ岬風右子さん! どっちも影のある女の子の役で、萌え萌えですねっ(笑)

 

■大感動巨編『かよこちゃん三部作』(勝手に命名)
クラスメイトエピソードは1人に1話あれば良い方ですが、かよこちゃんのエピソードはなんと3部構成。しかし、『引きこもり』という重いテーマを真っ正面から描くのですから、1話では足りないのもうなずけます。
紹介文を書くために、三部作を通しで観たのですが、完成度の高さに改めて驚かされました。誰もがかよこちゃんの願いに涙し、どれみちゃん達の想いに目頭を熱くするでしょう。……なんか意味がかぶってますか?(^^; でもまあ、悲しみの涙と感動の涙は似て異なるものですからネ。

第一部『はじめて会うクラスメイト』も〜っと!第20話
遅刻寸前のどれみちゃんは、不登校のクラスメイトかよこちゃんと出会う。学校を拒絶する気持ちが分からないどれみは、思い切ってその日の授業をサボり、かよこちゃんにつき合って図書館へと行くのだが…。

何も解決しない物語。一握りの希望……。第1部は探偵物に例えるなら『事件編』でしょうか? かよこちゃんの言動に反発し、思わず怒り出してしまうももこちゃんが印象的です。ももちゃんでは、かよこちゃんを救えないのです。どれみちゃんでなければ…。

第二部『学校に行きたい!』も〜っと!第38話
どれみ達は、かよこちゃんが何故学校に来られなくなった原因を知るため、元4年1組の生徒に聞いて回るが、マジカルステージをもってしても明らかにはならない。完全に行き詰まってしまったどれみ達は、出来ることを精一杯やるしかないと奮起する。そんなみんなのがんばりが、かよこちゃんの心を動かすのだった。

第2部は『捜査編』ですね。推理に必要な材料が全て揃うわけではありませんが、少しずつ人間関係が明らかになっていきます。

第三部『みんなで! メリークリスマス』も〜っと!第45話
「私ね、転校して来た頃…、友達なんて…いらないと思っていたの…」
おんぷちゃんの思わぬ告白と、どれみちゃん達の優しさ、温もりに触れたかよこちゃんは、ついに真相を語り始める。きっかけはささやかな物だった。ちょっとした行き違い。何気ない一言。その積み重ねから生まれた誤解。そして悲劇……。全ての誤解が解け、みんなと仲直りをすることが出来た。だが、かよこちゃんの心の傷はあまりにも深く、教室に近づくことができない。その時どれみは………。

ついに真相が明かされる第3部は、正に『解決編』です。しかも大団円で終わる感動巨編でもあります。

 

■独立作品として観る『かよこちゃん三部作』
『おジャ魔女どれみ』をまったく知らない人が『かよこちゃん3部作』のみを単体で視聴した場合、どう映るでしょう? 内容が理解できるかどうか検証してみます。

1)おジャ魔女って何?
まず作品タイトルやOPから、『どれみ』なる主人公は『おジャ魔女』と呼ばれているらしいとわかります。魔女の一種で、魔法が使えるんだろうくらいなら誰でも想像できるでしょう。どれみちゃんが小学生で、4人の『おジャ魔女』仲間がいることも、何となく理解できます。

2)MAHO堂って何?
かよこちゃんとの会話で、どれみちゃんが『MAHO堂』なるお店を手伝っていること、以前フラワーショップを手伝っていたので花に詳しいこと、今はお菓子屋さんになっていることが紹介されています。更にMAHO堂に行って二人でおかし作りを実践することで、最低限の紹介がなされますので何ら問題はありません。ただ、「MAHO堂の店主さんはどうして出てこないの?」と、疑問は持たれるでしょうね。

3)独特の世界観については?
マジョリカ達魔女界キャラクターがほとんど登場しない為、魔女界という独特の世界観については何ら説明する必要がありません。唯一登場するドドも、その能力や役割が全てエピソード内で語られているため、それ以上の説明は不用でしょう。
春風家の面々の描写は最低限でまとめ、三部作のみに登場する市川先生など、教師側の描写を増やし、いつも以上に学校での描写を増やしているため、『おジャ魔女どれみ』とは、タイトルに似つかわしくない学園ドラマなのだと思われてしまうかもしれませんね(^^)。
唯一の難点は、ハナちゃんが登場することです。一部二部ではまったく登場しなかったのに、三部のアバンタイトルに唐突に登場する上、可愛いだけ(笑)で物語にちっとも絡まないため、かなり面食らうのではないでしょうか?

4)闘う!! 教師達
なんと言いましても見逃せないのが三人の先生達です。関先生、ゆき先生、そして市川先生…。苦悩しながらも諦めない、先生達の『闘い』も、時間を割いて描いているのです。子供達のドラマがあり、大人達のドラマがあり、それが1つのドラマへと収束していく……。子供向けアニメと侮って観ていれば、かなり面食らうことでしょう。

5)MAHO堂メンバーはどう見える?
『かよこちゃん三部作』はどれみちゃん話ですから、どれみちゃんの魅力は遺憾なく描かれております。では、他のMAHO堂メンバーはどのように映るのでしょう?
ももちゃんは、金髪の髪とヘンな日本語から、間違いなくハーフだと思われるでしょう。
あいちゃんは特に活躍がないので、浪花ッ子がいるという印象しかないような…(^^;
はづきちゃんは、ももちゃんの使うことわざの間違いを指摘したり、大嫌いなピーマンをどれみちゃんにあげようとするおんぷちゃんを叱ったりと、いかにもな優等生ぶりを発揮します。
おんぷちゃんは短い出番ながら、人気者のチャイドルであること。垣間見える小悪魔的したたかさや素直になったときの愛おしさ等、あらゆる魅力が詰め込まれております。ラブラブのモエモエです。

6)そして、どれみちゃんって何者!?
何より驚かされるのは、どれみちゃんのドジっぷりをはるかに上回る、かよこちゃんの全てを包み込んでしまうほどにドでかい、どれみちゃんの『器』でしょう。主人公とはいえ、小学5年生の女の子が母の愛ような寛容さを魅せるのですから、初めて『どれみ』を観た人なら誰でも驚愕しますよ。そしてどれみちゃんの魅力にはまってしまうのではないでしょうか。

★  ★  ★

結論としましては、『どれみ』を知らなくても、『かよこちゃん三部作』は独立した作品として観ることが出来ます。部分的に見え隠れする独特の世界観は『どれみ』への興味をかき立て、素朴な疑問は「もっと、どれみちゃんを知りたい」という好奇心へと変わっていくのではないかと思います。
おお!! これぞ正に、も〜っと!おジャ魔女どれみですね(笑)

 

■シリーズとして観る『かよこちゃん三部作』
次に『おジャ魔女どれみ』シリーズとしての視点で観た場合の、『かよこちゃん三部作』を検証してみましょう。

1)どれみちゃんの一生懸命には、ワケがある
これでもかこれでもかと、主役の度量を魅せるどれみちゃん。しかし『かよこちゃん三部作』では、どれみちゃんが何故そこまでかよこちゃんのために一生懸命になれるのか、まったく説明がありません。「どれみちゃんとは、そんなスーパー美少女なのだ」と割り切って観る以外にないのです。ところが実は、その理由が明らかになるエピソードがあったのです。それが『かよこちゃん三部作』の第一部と第二部の間に挿入されたエピソード、も〜っと!第25話『ひとりぼっちの夏休み』です!
どれみちゃんは夏休みのある日、みんなのよそよそしい姿から、みんなから嫌われてしまったのではないかと思いこみます。自分はドジで迷惑ばかりかけている…。そう思うといたたまれなくなったのです。
第二部にはこのようなシーンがあります。

かよこ「私、消えてしまいたい…。自分が情けない…。消えちゃいたい…。」
どれみ「どうして?」
かよこ「私がいるとみんなに迷惑をかけちゃうから、いっそいなくなった方が…」

みんなに嫌われていると思っているかよこちゃん……。これは正に、どれみちゃんが味わった苦しみそのものではありませんか! どれみちゃんは気付いてしまったのです。かよこちゃんの悩みや苦しみが、決して人ごとではないと。そして思い出したのです。『ひとりぼっちの夏休み』での辛さと寂しさを。
ですが同時に希望も見出しました。どれみちゃんが体験した辛さも寂しさも、自分の思いこみにすぎませんでした。ならば、かよこちゃんの悩みも苦しみも誤解からきたのかもしれません。だからどれみちゃんは信じることが出来たのでしょう。
「誤解はきっと解ける! かよこちゃんは学校に来れるようになる!」と。
どれみちゃんが誰よりもかよこちゃんに一生懸命だったのは、単なる同情ではありません。かよこちゃんの絶望が理解でき、かよこちゃんの希望を信じられたからこそだったのです。

2)ももちゃんのヒロインとしての、限界
どれみちゃん同様、かよこちゃんのクラスメイトであるももちゃんですが、彼女はどれみちゃんとは反対に、初っぱなから限界をさらしてしまいます。かよこちゃんに会おうとどれみちゃんと共に、長門家に来たももちゃんは、部屋から出ようとしないかよこちゃんに怒り出してしまうのです。
ですが本当は、ももちゃんだけは、それをやってはいけないことでした。何故ならももちゃんは、校則違反であるピアスを『特例』として許してもらっている立場(も〜っと!第2話『ももこが泣いた!?ピアスの秘密』)だったからです。これでは自分のことを棚に上げて非難しているようにしか見えません。これって結構最低の行為ですよね。……まあ、後で気付いて反省しているようではありますが。
結果的にももちゃんは、はづきちゃんあいちゃん同様に、どれみちゃんのサポート役に回ることになります。残念ながら、ももちゃんの力ではかよこちゃんを救えなかったのです。

3)おんぷちゃんの、驚きの急接近
『かよこちゃん三部作』では、おんぷちゃんも他のMAHO堂メンバー同様サポート役です。ですが、おんぷちゃんは、おんぷちゃんなりのやり方で、誰にも出来なかったことをします。「どれみちゃんを信じていいんだよ」と、かよこちゃんの背中を押したのです。しかも、かよこちゃんと二人だけのナイショ話として……。つまりおんぷちゃんは、どれみちゃんではなく、かよこちゃんのサポートに回ったのですね。ここで素朴な疑問が生まれます。何故おんぷちゃんは、かよこちゃん寄りの行動を取れたのでしょうか?
実は、かよこちゃんとおんぷちゃんは3年生の時、同じ日に美空第1小へ転校してきました。二人は誰よりも先に知り合っていたのです。もっとも、かよこちゃんは引っ込み思案で、おんぷちゃんは仕事で多忙の毎日でしたし、何よりクラスが別々でしたから、友達にはなれなかったのですが。

それにしても、第三部のおんぷちゃんには驚かされました。二人っきりになった保健室で、突然かよこちゃんに心を開いてしまうのですから……。おんぷちゃんを詳しく知る者なら、これがいかに不自然であるかお分かりですよね。しかも、その口から語られる内容にも、どこか違和感があるのです。

「かよこちゃん…。もし転校して来たとき、かよこちゃんが2組だったら、
かよこちゃんが学校に来られなくなること、無かったんじゃないかな…。」

これではまるで、おんぷちゃんがかよこちゃんに贖罪意識を持っているようではありませんか!
確かにかよこちゃんは市川先生の1組に、おんぷちゃんは関先生の2組に編入されました。でもそれは、学校側の都合で決められるのであって、生徒の望みが反映されるものではありません。言うなれば運のようなものです。にもかかわらず、かよこちゃんが不登校になったのは自分のせいであるかのように、おんぷちゃんは語るのです。いったい何故?
理由があるとすれば、1つしか思い当たりません。かよこちゃんとおんぷちゃんのクラス分けに、おんぷちゃんの意志が反映されたのです。禁断魔法によって………。
ライバルのどれみちゃん達と同じクラスになる。それだけのために、軽はずみに禁断魔法を使った結果、かよこちゃんを苦しめてしまった……。真相は判りませんが、そんな罪の意識がおんぷちゃんにあったのだとすれば、かよこちゃんへの急接近も納得です。苦しむかよこちゃんは、おんぷちゃんにとってのトラウマだったのですね。

4)市川先生の、思わぬ波紋
『かよこちゃん三部作』のみに登場する元4年1組の担任、市川先生。彼女はかよこちゃんの気持ちを知るために、同じような不登校の子達を集めた施設で働くことにし、美空小を休職します。つまり5年生でのクラス替えは、1組の担任だったベテランの市川先生がいなったために行われた可能性があるのです。
もちろん、2年ごとに定期的にクラス替えをしている可能性も捨て切れませんが、少なくとも、新米担任の西沢先生には御しきれないであろう『問題児』を、関先生が優先的に引き受けたことは、間違いないでしょう。

5)瞳ウルウル、ゆき先生
第一部で、保健室で寝込む関先生に話しかけるゆき先生の眼差しが、なんだかいつもと違います。まるで恋をしているかのように、瞳をウルウルさせているのです。過労で体調をくずしながらも「自分は担任だから」とわが身を省みず、毎日かよこちゃん宅に通い続ける関先生のひたむきさに、ゆき先生は心の底から感動(TT)しているのです。
無印時代のゆき女王様には非常な面がありました。百年の眠りにつくおんぷちゃんを、本音はともかく女王としては「禁断魔法を使ったのだから仕方ない」と切って捨てられるほどでしたから。それがシリーズを追うごとに変化していくのは、ハナちゃんへの愛を示したどれみちゃん達の影響なのだと思っていました。でも、それだけではなかったんですね。むしろ関先生から受けた影響の方が深かったのかもしれません。魔女界を救ってくれた魔女見習い達は、全員関先生の教え子なのですから。
本音としては、どれみちゃん以上に関先生を魔女界に迎えたかったのかもしれません。

6)残念だったハナちゃん
赤ちゃん時代のハナちゃんは、第三部でかよこちゃんに会っています。そしてドッカ〜ン!で6年生になったハナちゃんは、かよこちゃんと同じ6年1組に編入されるのです。しかし、せっかくクラスメイトになったのに、ハナちゃんとかよこちゃんが仲良くなることはありませんでした。二人が仲良くなっていれば、クリスマスの出会いが伏線として意味を持ってくるのに、残念でなりません。ハナちゃんはかよこちゃんのことを、もう忘れてしまったのでしょうか?

★  ★  ★

ところで僕は最近、教師がいじめに荷担し、生徒を自殺に追いやったと言う狂った事件を耳にして、はらわた煮えくりかえっております。でもこれは氷山の一角ではないでしょうか? そんな人の痛みの分からない奴らに少しでも真っ当になってもらうためにも、いっそのこと、日本中の教師に『かよこちゃん三部作』の視聴を義務化してはどうでしょう? 小学校の道徳の時間に生徒達に観せるのも良いかと思います。
………………………でも、単におたく教師が増えるだけかな?(^^;

教師と生徒、親と子、老若男女の全ての人達に観てほしい。そして考えて欲しい。自分を振り返って欲しい。そして優しい心を取り戻して欲しい。今の時代には『かよこちゃん3部作』が、そして『おジャ魔女どれみ』が、まだまだ必要なのです。(2006.11.9)

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